病院総合医ブログ(あくえりの暢気にジェネラル)

JCHO東京城東病院総合診療科の森川暢によるブログです。総合内科と家庭医療が融合した、病院総合医の理想像を追い求めています。夢は、理想的な病院総合医のシステムの確立と普及です!

森川の過去の業績

以下、過去の業績です。

 

 

●編集

2016年 編集幹事

南山堂|月刊誌「治療」|2016年10月 Vol.98 No.10

病院×家庭医療

 

2017年 

レジデントノート増刊:主治医力がさらにアップする! 入院患者管理パーフェクト Part2〜症候対応、手技・エコー、栄養・リハ、退院調整、病棟の仕事術など、超必須の31項目! - 羊土社

レジデントノート増刊 Vol.19 No.14 主治医力がさらにアップする! 入院患者管理パーフェクト Part2 症候対応、手技・エコー、栄養・リハ、退院調整、病棟の仕事術など、超必須の31項目! 石丸裕康,森川 暢/編

 

Gノート:プライマリ・ケア医だからできる精神症状への関わりかた〜よりよい考え方、話の聴き方、向き合い方 - 羊土社

Gノート 2017年12月号 Vol.4 No.8 プライマリ・ケア医だからできる精神症状への関わりかた よりよい考え方、話の聴き方、向き合い方 増田 史,高尾 碧,豊田喜弘,森川 暢/編

 

 

 

●分担執筆

2013年

http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=35159

●What’s your diagnosis?・129 暴力を打ち破る大捜査線 森川 暢・花本 明子・南 尚吾・西口 潤・ 米本 仁史・米山 克二郎・上田 剛士

 

2014年

http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=35699

●What's your diagnosis?・141医学部6年生が降参した小腸疾患森川 暢・小嶌 祐介・上田 剛士

 

 

2015年

ER magazine(ERマガジン) Vol.11 No.4 | Fujisan.co.jpの雑誌・定期購読

ERマガジン Vol.11 No.4 (2015年01月20日発売) よくみるポリファーマシー

 

 

http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.1402223578

連載魁!! 診断塾・15 pp. 1205-1209 痛む場所には何がある? の巻 佐田 竜一1, 綿貫 聡2, 志水 太郎3, 石金 正裕4, 忽那 賢志5, 森川 暢3

 

2016年

http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=89428

総合診療 2016年10月号 (通常号) ( Vol.26 No.10)
特集 内科診療を劇的に変える “まとめ”の達人

感染症関連:忘れた頃にやってくる「化膿性関節炎」
 Evernoteで“第2の脳”を手に入れる!
 
 
 

レジデントノート増刊:あらゆる場面で自信がもてる! 輸液療法はじめの一歩〜基本知識と状況に応じた考え方、ピットフォール - 羊土社

レジデントノート増刊 Vol.18 No.2 あらゆる場面で自信がもてる!輸液療法はじめの一歩

2. 内科病棟での輸液について【森川 暢】

 

 

 

jmedmook43 あなたも名医!夜間外来であわてない!|書籍・jmedmook|日本医事新報社

jmedmook43 あなたも名医!夜間外来であわてない!

・呼吸困難

・腰背部痛

 

 

レジデントノート:身体診察ってこういうことだったのか!〜教科書だけではわからない「手あて」の医療がみえてくる! - 羊土社

3.どうする病歴聴取!? 身体診察につなげるコツ【森川 暢,志水太郎】

 

 

中外医学社 | 書籍詳細

鑑別診断+αを知る! 関フェデ流臨床推論カンファレンスLive
愚直に病歴と身体診察をするものが救われる! 【網屋亮平 森川 暢 井村春樹】
コラム[5] 「問診塾」について 【森川 暢 小林正尚】

 

 

【病院総合医の活動と魅力】総合診療はおもしろい|プライマリケアと救急を中心とした総合誌:レジデントノート - 羊土社

病院総合医の活動と魅力 森川 暢(東京城東病院 総合内科) レジデントノート2016年4月号掲載

 

 

2017年

http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.1429200952

総合診療 : 2188-8051 27巻 6号特集「地域を診る医者」最強の養成法! 【各論:実況中継!】 pp. 734-737 —ベッドサイドティーチングはすごい!—院外講師を招く

 

 

http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=91304

魁!! 診断塾  東京GIMカンファレンス激闘編

第15話 痛む場所には何がある? の巻

 

 

 2018年

他科への手紙  総合内科→内科

日本医事新報 No.4898 (2018年03月10日発行) P.53

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=9458

 

 

 

マーケティング近視眼と、オリラジのパーフェクトヒューマンそして、病院で設定すべきドメインとは?

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またまた、オリラジのパーフェクトヒューマンです。

 

https://www.amazon.co.jp/この1冊ですべてわかる-経営戦略の基本-株-日本総合研究所-経営戦略研究会/dp/4534044674

 

 

最近、この本を読み始めています。
事業領域で適切なドメインを設定するにあたり、レビットによるマーケティング近視眼という概念が取り上げられています。
鉄道会社は何故衰退したのか?
その理由は、鉄道会社が設定したドメインが鉄道事業であったことに、あります。
しかし、顧客が望んでいることは鉄道に乗ることではなく、輸送そのものであり、適切なドメイン設定は輸送事業であったはずです。
ここを理解できなかった鉄道会社は、代替手段である自動車や航空機の台頭に対応できずに衰退しました。
これは、映画会社が自社のドメインを映画事業ととらえて衰退したことも同様であると書かれています。顧客が望んでいるのは、娯楽事業であり、その意味ではテレビやライブは代替手段と言えるかもしれません。
地方の小規模の映画館が全て、TOHOシネマズに置換されたことも、同様に考えることが出来ると思います。

翻って、お笑いの世界で考えます。
お笑いの世界が設定すべきドメインは、漫才なのか、お笑いなのか、娯楽事業なのか。。 
答えは、明白で娯楽事業であるべきです。
よって、顧客目線で考えれば、楽しければ何でもよいわけで、漫才にこだわる必要はないということになります。
そこをはき違えて、お笑い芸人たるもの漫才をするべきとなると、マーケティング近視眼に陥っていると思われます。
オリエンタルラジオのパーフェクトヒューマンは、ドメインコペルニクス的な転換であるとも言えると思います。
娯楽事業ととらえれば、音楽の要素やダンスの要素を取り入れることに、全く問題はなくなります。

さらに翻って、医療の世界で考えてみるとどうでしょうか。。
私は病院総合医というのもを目指しています。
それでは、設定すべきドメインは病院総合医なのでしょうか。。
それも違うと思います。

日本プライマリ・ケア連合学会の目的は、以下の通りです。
「人々が健康な生活を営むことができるように、地域住民とのつながりを大切にした、継続的で包括的な保健・医療・福祉の実践及び学術活動を行う」

 

つまり、設定すべきドメインは「地域住民のヘルスケアの向上」が正しいように思います。

病院総合医というドメインは、あくまでその為の手段の一つと考えるほうが良いということになります。

プライマリ・ケアは患者から考えるべきだと、ある大家の先生がおっしゃっていました。

それは、顧客視点の重要性に他ならないと考えます。

近視眼に陥らずに考えていければ。。

 

 

読書感想文 インナーコンサルテーション

https://www.amazon.co.jp/Inner-Consultation-内なる診療-草場-鉄周/dp/4904865146

 

フェローシップの課題で、読んだ本です。

正直、とても読むのに時間がかかり大変でした。。

読み終わるのに要した時間は、普通の本の2-3倍だったと思います。

読み終わった瞬間、長い旅が終わったような寂しさと、新たな旅が始まるような高揚感が入り混じった不思議な気持ちになりました。

この本の内容を一言で言うことは難しいです。

言葉で言えば、応答脳と構成脳、5つのチェックポイントというのがキーワードになると考えています。

とはいえ、それも言葉で説明することは本当は難しいのかもしれません。

本の中に書かれている課題を実行したり、本を読むこと自体で、自分が変わることが実感できる。

そのような不思議な本です。

日々の医療面接で、より患者さんの顔色が見えたり、あるいは内なる声に耳を傾けるようになることが出来るようになった気がします。

もちろん、ベテランの家庭医の先生には遠くは及びませんが。。

この本の旅の最後を飾るのは、日本の俳句と禅です。

一周して回り、元に戻ってきたような不思議な気持ちでした。

「いまここ」という言葉が非常にしっくりきました。

難解な本ですが、総合診療に携わる方には是非、一度読んでいただきたいと思いました。

読書感想文 天才の証明(オリエンタルラジオ 中田敦彦)

https://www.amazon.co.jp/天才の証明-中田-敦彦/dp/4822259218

 

オリエンタルラジオの、あっちゃん、こと中田敦彦の自著になります。

最近、改めて下のパーフェクトヒューマンの動画が衝撃で、改めて、あっちゃんに興味を持ったので読んでみました。

 

〇以下、自分のFace bookより引用です。

最近、好きでよく聞いています。この展開が、痛快すぎますね。漫才を期待していた観客が急に裏切られ、全く別のジャンルに変化し、しかし笑いとして成立している。最高だと思います。自分の殻に閉じこもることなく、チャレンジを恐れない精神を見習いたいと思います。

 

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後で、知ったのですが全て、あっちゃんの計算だったんですね。

上記のテレビ番組でも、パーフェクトヒューマンが出来なければ絶対に出演しないと言っていたようです。。

あらかじめ、パーフェクトヒューマンをユーチューブに挙げていたのも。

一次的に漫才もしていたけど、自分たちの強みは武勇伝など音楽ネタであることをユーチューブの再生回数から分析して。

さらに、今までのお笑いに全くないエンターテイナー的な要素とダンスも取り入れて、全く真似が出来ないポジションを確立する。

 

これは、完全にブルーオーシャン戦略ですよね。

あえて、武勇伝をやった後に上記のような展開に持ってくことでの意外性で話題にし、さらにユーチューブで口コミをさらに広げる。

 

天才の証明に書かれていることは非常にシンプルです。

好きなこと、得意なことを徹底的に伸ばして、自分独自のポジションを確立すること。

優れようとするのではなく、自分の個性を生かして徹底的に異なることで、模倣が困難な状況を作り出し、トップを目指す。

これって、経営分析のSWOTフレームワークに完全に通じると思うんですよね。

強みを生かして、弱みを減らすということに他なりませんからね。

 

 

笑いという概念を覆すという意味では、サーカスの概念を覆したシルク・ドゥ・ソレイユに近いのかもしれません。

シルク・ドゥ・ソレイユブルーオーシャン戦略で真っ先に取り上げられていましたね。

思い付きではなく分析に分析を重ねて、計算したうえで行動を起こす。見習いたいです。

以下の岡村隆史のコメントが全てを物語っていると思います。

「新しい笑いの時代に突入したのかもしれない。あんなん、本当はやりたいのに、俺。言いたいのにパーフェクトヒューマン。。よう、作らんは。あんなネタ。」

 

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ますます、あっちゃんが好きになった。そんな本でした。

自分のキャリアの目指すべき方向性についても同様だと思いました。

自分の好きで得意なところを伸ばして、模倣が困難な特異なポジションを目指そうと思います。

 

 

あらためてGIMについて考えてみる。

再度、GIMについて考えてみます。

私自身は主に内科医として卒後5年目までキャリアを歩んできました。

卒後6年目から、今の小規模病院に来てから、総合診療・家庭医療を少し勉強してきました。

とはいえ、家庭医療専門医を持ちつつ、さらに病院で内科をベースとした病院総合診療をされている先生の診療内容に触れたときに、自分が総合診療医であるということが少しはばかられる気がします。

 

かといって、ただの内科医であるというだけが自分のアイデンティティではありません。。

そう考えたときに、改めてGIMという言葉の響きが自分には大切に思いました。

私は京都のGIMで有名なグループの系列病院で3年間後期研修をしてきました。

家庭医療的な研修は、少なくとも系統的にはありませんでしたが、しかし尊敬するロールモデルの元で内科を中心として横断的な研修が出来たことはとても幸運なことでした。

その選択をしたことは全く後悔はありません。

総合診療専門医がはじまりましたが、総合診療専門医にとっても幅広く深く内科を診る、GIM的な能力は必須だと思います。

つまり家庭医療学とGIMは両輪であり、研修という意味では両方を提供する必要があるのではと僕は思います。

その中でどちら寄りになるのかは、当人の個性だと思います。

逆に言えば、GIMがただの内科ではなくGIMであるためには、家庭医療学を学ぶことが必要です。

 

GIMをやっていると、社会背景や全人的に診ることを自分たちでも出来るし、家庭医療学を学ばなくても良いんじゃないかと思うこともあります。

しかし、家庭医療の考え方を学ぶと、Biomedicalだけでは解決できない複雑な問題をより遣り甲斐をもって、かつ大切であると認識して診ることが可能になります

全人的に診るということに関して、ポートフォリオやフィードバックなど系統的な研修を受けた総合診療・家庭医が一歩先を行っているので、GIMはそこから学ぶべきです。

とはいえ、GIMと総合診療・家庭医は患者を全人的に診ようとするというところに関して共通項を持っていて、つまり同志だと僕は信じています。

 

 

GIMは自分たちがGIMであるためには、ただ内科の知識を深めるだけでは足りず、総合診療・家庭医から学ぶべきであると、意識することが必要だと思います。

GIMが元来の特徴である内科診断学や広く深い内科マネージメントに加え、総合診療・家庭医から全人的に診るということを取り入れることができれば、真に時代に必要とされる存在になるはずだと僕は信じています。

 

 

 

 

 

読書感想文 マネージャーの教科書

 

マネージャーの教科書を読みました。

病院総合医やホスピタリストも病院の中で立場が上がれば、マネージャー的な仕事が必要になることも考えると、勉強になりました。

新人マネージャーがつまずく理由として、権威権力で統制づくりを行い円滑に業務を行うことがマネージャーの仕事だという幻想をいだくことが問題だと指摘されています。

実際は、相互依存で部下のやる気を引き出し、チームの調和を行い、業務改善をおこなうとあります。

またプレイヤーとして巧くいったひとが必ずしもマネージャーとして巧くいくわけではなく、別の能力が必要になるともあります。

つまり、部下に権限移譲をする、部分に拘泥せず全体を見るという視点が必要になります。

さらにIQだけではなく心の知能指数であるEQが大切であると示されています。

EQは自己認識、自己統制、モチベーション、共感、ソーシャルスキルから構成されておりこれらは、時間がかかり困難ではあるものの高めることが出来ます。

また自分らしさが仇になるときもあるので、いろんな人のロールモデルを参考にしながら、いろんなスタイルを試す遊び心も必要のようです。

さらに自分自身と上司を理解し、上司をマネージメントすることが大切と書いていました。

上司のマネージメントは確かに中間管理職になるととても大切な要素だなと感じています。

また人脈は個人的にも大切だと考えていましたが、本書では人脈を仕事上のネットワーク、個人的なネットワーク、戦略的ネットワークに分けて記載されておりなるほどという印象でした。

特に戦略的なネットワークを作ることの大切さが実感できました。

最後に、部門責任者が事業リーダーになるときの心得が書いていました。病院で言えば、病院長のようなものでしょうか?

その心得は、

①ジェネラリストである

②統合者である

③戦略家である

④設計者である

⑤課題設定者である

⑥外交官である

⑦主役である

という7つが必要であるとされています。

確かに病院であっても自科以外の科のことも考える視点が必要ということになるのでしょうか。。

このような医学以外の本を読むと刺激になって、面白いですね。

 

読書感想文 あめいろぐホスピタリスト

https://www.amazon.co.jp/あめいろぐホスピタリスト-あめいろぐ・シリーズ-石山-貴章/dp/4621302787

 

献本御礼

 

アメリカでホスピタリストとして働いた経験がある日本人医師による著書であり、楽しみにしながら読ませていただきました。

結論から言うと、素晴らしい本です。

日本のこれからの、ホスピタリスト・病院総合診療の指針になると言っても過言ではないと思います。

最初にホスピタリストが必要は理由は、high value careと2025年問題であると強調されていますが、その通りだと思います。

日本には専門医が多すぎ、満遍なく内科を診れる医師つまりホスピタリストの需要が高まると筆者は断言してます。

これもその通りでさらに踏み込んで森川の私見を述べれば、専門医は専門医にしか出来ない手技や技能に集中するほうがおそらく病院経営上効率が良いと考えます。

例えば、循環器内科医は心臓カテーテルやアブレーション、重症心不全のコンサルテーション業務、消化器内科医はESD、ERCPなどを含む内視鏡、呼吸器内科医は肺癌の化学療法や気管支鏡など。。

それらは専門医にしか出来ない手技や技能である一方、通常の内科病棟管理に関しては非専門医であるホスピタリストに任せるほうが効率的だと思います。

特に、働き方改革で医師の時間が有限であり貴重になる一方であることを考えると、これらの専門医が片手間に病棟業務を行うのは専門医の有効な活用方法とは言えません。

そこでホスピタリストが関与することでより効率よく専門医が専門手技に集中し、より効率的な病院経営が可能になると思われます。

ホスピタリストは真に貴重な専門医をよりよく機能させるためのサポーターになるのだと思います。この専門医には当然、外科も含まれます。

これは、本書で周術期管理が1章を設けて詳細に記述されていることからも明らかです。

 

また本書では各論的な問題としてDVT、血糖マネージメントなどが挙げられています。

これらの章立てを読んで感じることは、標準的治療が徹底されているということです。書いている内容自体に新規性があるわけではないのですが、エビデンスに基づく治療の標準化が強調されており、個人の裁量が良くも悪くも大きい日本のプラクティスと対照的だと感じました。

筆者はホスピタリストはスペシャリストではなく当たり前のことを当たり前におこなうだけであるとご謙遜されていますが、個人的には横断的能力のスペシャリストと言っても過言ではないのではと感じました。

これは、「病棟診療のコンダクター」という石山先生のお言葉に端的に表れていると感じました。

それを象徴するように後半は、周術期管理、老年ケア、緩和ケア、医原性トラブルへの対応、医療の質など横断的な分野が強調されています。

特に周術期管理は、きちんと系統的に勉強したことがなかったので、とても参考になりました。

野木先生のエビデンスとホスピタリストの実践に基づく記載に圧倒されるとともに、先に述べたエビデンスに基づく標準化が徹底されていて、システムとしてのアメリカの医療の先進性を感じました。

この章立てだけでも、ホスピタリストが何に重きを置いているかが伝わります。

つまり、難しい奇病を診断することがホスピタリストの業務の本質ではないとうことかと思います(確かに診断は楽しいのですが。。)

石山先生も臨床推論の醍醐味を強調されていますが、「当たり前の診断を当たり前に病歴と身体診察を中心に診断する」というスタンスが垣間見えます。

そして、最後のホスピタリストが身に着けるべき「非臨床スキル」の項目が秀逸です。

アメリカのホスピタリストの学術団体であるSHMではホスピタリスㇳのコアコンピテンシーとして3つの項目を提唱しています。

①臨床知識

②手技

③医療システム

最後の章は、この③医療システムに焦点を当てて記載されています。

この章はホスピタリストという医師の総括とされています。つまり、ホスピタリストの本質がこの章で語られているということになります。

具体的には、コアコンピテンシー、コミュニケーションスキル、バランス感覚、リーダーシップ、多職種マネージメント、教育、プロフェッショナリズム、コスト意識の8つの要素が語られています。

病気をたくさん知っているという知識面での能力は前述のコアコンピテンシーのひとつに過ぎないとも言えるかもしれません。

そしてホスピタリストの仕事の肝はコミュニケーションとされています。

つまり自分自身がプレイヤーになるというよりも、マネージャーとして専門医、コメディカル、患者・家族とうまく連携する能力が要求されるということです。

実際にコミュニケーションやマネージメントが好きな人がホスピタリストに向いており、それらが苦手な人には辛いのではという記載があります。

筆者のお人柄からもそのようのコミュニケーションの重要性が伺えます。

このような能力は、大学病院のような大病院であっても、当院のような100床規模の小規模病院でも同様に必要であるという点で、ホスピタリストの本質的能力ではないかと考えています。

ホスピタリストの専門性は横断的な能力と言えるかもしれず、家庭医とも親和性が高そうな印象です。

示唆に富む非常に素晴らしい本であり、一読を勧めます。

本当に、ありがとうございました。