GIMブログ(あくえりの暢気にジェネラル)

JCHO東京城東病院総合診療科の森川暢によるブログです。総合内科と家庭医療が融合した、病院総合医の理想像を追い求めています。夢は、理想的な病院総合医のシステムの確立と普及です!今日の時代におけるGIMは、診断学や内科マネージメントに加えて、家庭医療学を専門にする必要があると考えています。このブログでは徒然なるままに思うところを書いていきます。

森川の過去の業績

以下、過去の業績です。 ●単著 2018年 総合内科 ただいま診断中! フレーム法で、もうコワくない 徳田安春 監修 / 森川 暢 著 www.chugaiigaku.jp ●論文 2018年 日本リハビリテーション栄養学会誌 セッティング別のリハビリテーション栄養(亜急性期、包括ケ…

読書 感想文   1秒もムダに生きない   時間の上手な使い方

1秒もムダに生きない 岩田健太郎 | 光文社新書 | 光文社 岩田健太郎先生の著書を読みました。 もう7年前の著作ですが、今でも新鮮に感じます。 まず時間を削るためには、今自分が最も「やりたいと思うこと」に耳を傾けそれに邁進することを教えていただきま…

GIMの行く末について

僕は、GIM(総合内科医)として、キャリアを歩んできました。 GIMは、診断学および、文献検索、内科急性期病棟での急性期内科マネージメントを重要視した内科医です。 しかし、それだけでは内科医としてのアイデンティティを保てず、せっかくGIMの研…

東京でCommunity Hospital を目指す

https://www.facebook.com/Community-Hospital-Japan-215593432554804 先日、日本プライマリ・ケア連合学会においてCommunity Hospital Japanの会合に参加させていただきました。非常に、刺激的な会でした。Community Hospital Japanが定義するCmmunity Hosp…

病院総合医が目指すべき方向は決まった あとは、そのゴールを目指すためにどうすれば良いか

家庭医療の大家である藤沼先生のブログの記事がアツい。 fujinumayasuki.hatenablog.com 藤沼先生の提案によると日本の総合診療専門医の医師像は、下記の2つの医師像のハイブリットであるとされている。 1.診療所(病院も含む)の非選択的外来診療、在宅…

マーケティング近視眼と、オリラジのパーフェクトヒューマンそして、病院で設定すべきドメインとは?

www.youtube.com またまた、オリラジのパーフェクトヒューマンです。 https://www.amazon.co.jp/この1冊ですべてわかる-経営戦略の基本-株-日本総合研究所-経営戦略研究会/dp/4534044674 最近、この本を読み始めています。事業領域で適切なドメインを設定す…

読書感想文 インナーコンサルテーション

https://www.amazon.co.jp/Inner-Consultation-内なる診療-草場-鉄周/dp/4904865146 フェローシップの課題で、読んだ本です。 正直、とても読むのに時間がかかり大変でした。。 読み終わるのに要した時間は、普通の本の2-3倍だったと思います。 読み終わっ…

読書感想文 天才の証明(オリエンタルラジオ 中田敦彦)

https://www.amazon.co.jp/天才の証明-中田-敦彦/dp/4822259218 オリエンタルラジオの、あっちゃん、こと中田敦彦の自著になります。 最近、改めて下のパーフェクトヒューマンの動画が衝撃で、改めて、あっちゃんに興味を持ったので読んでみました。 〇以下…

あらためてGIMについて考えてみる。

再度、GIMについて考えてみます。 私自身は主に内科医として卒後5年目までキャリアを歩んできました。 卒後6年目から、今の小規模病院に来てから、総合診療・家庭医療を少し勉強してきました。 とはいえ、家庭医療専門医を持ちつつ、さらに病院で内科をベ…

読書感想文 マネージャーの教科書

マネージャーの教科書を読みました。 病院総合医やホスピタリストも病院の中で立場が上がれば、マネージャー的な仕事が必要になることも考えると、勉強になりました。 新人マネージャーがつまずく理由として、権威権力で統制づくりを行い円滑に業務を行うこ…

読書感想文 あめいろぐホスピタリスト

https://www.amazon.co.jp/あめいろぐホスピタリスト-あめいろぐ・シリーズ-石山-貴章/dp/4621302787 献本御礼 アメリカでホスピタリストとして働いた経験がある日本人医師による著書であり、楽しみにしながら読ませていただきました。 結論から言うと、素晴…

GeneralistとMultispecialist

友人のソーシャルネットワークでの書き込みをみてなるほどなと思いました。GeneralistとPolysubspecialistという概念を提唱していました。 *とある先生からのご指摘で、PolysubspecialistよりもMultispecialistが良いのではというご意見を頂き、Multispecia…

絆と病院総合医の両輪

今週末はあっという間に過ぎ去りました。 土曜日は日直でした。救急は全然来ませんでしたが、総合内科の全患者のチャート回診およびベットサイド回診を行い、いろいろ病棟の仕事をしていました。 今更ながらに、病棟が好きなんだと思います。最近は、訪問診…

総合診療専門医が1階にあるべきである理由

とある先生にメールした内容ですが、ブログで共有しようと思います。 総合診療専門医が内科と同様に、1階にあるべき理由になります。 確かに僕の周りの総合内科医/ホスピタリストでも、総合診療専門医が1階建てにあるのは、おかしいという意見をよく耳にし…

マネジメントを読んで。。

ドラッカーのマネジメントエッセンシャル版を読み終わりました。 そして、間髪入れずに「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」も読んでみました。 ふつうは、もしドラを読んでからドラッカーを読むと思うのですが、エ…

●家庭医総合医のキャリアについて● 「臓器別専門を経てから家庭医総合医になったほうがよいのか?」

小宮山 学 - ●家庭医総合医のキャリアについて● 「臓器別専門を経てから家庭医総合医になったほうがよいのか?」... | Facebook 小宮山 学先生の Face bookからご本人の許可をいただき引用しています。 個人的にも非常に我が意を得たりというかんじで勉強に…

病院総合診療のブルーオーシャンをどう切り開くのか

www.amazon.co.jp ブルーオーシャン戦略をほぼ読了した。 とても、面白い本で最近の一番のヒットかも知れない。 とある先生が、小規模病院はブルーオーシャンと仰っていたが、意味が少し分かった気がする。 というよりも実は病院総合診療の業界はブルーオー…

大学における総合診療

第15回 日本病院総合診療医学会 学術総会 第15回日本病院総合診療医学会。 「Where dreams come true!~市中と大学のコラボレーション~ という若手セッションのパネリストとして参加ました。 やはり、大学の力は偉大だと再認識しました。 市中病院でずっ…

総合診療医はベンチャー

総合診療専門医が来年度より開始されることがほぼ決定された。 総合診療専門医は基本的には、内科1年、救急3ヶ月、小児科3ヶ月、残りは総合診療Ⅱ(病棟・病院)、総合診療Ⅰ(診療所・在宅)、選択研修で合計3年で構成される。 既存の家庭医療専門医をベ…

病院総合医による「総合内科病棟システム」

病院総合医と呼ばれる医師も、内科系の医師と家庭医療系(新専門医制度では総合診療専門医)の医師が混在しているのが日本の現状だと思います。 どちらのキャリアパスでもよいと思いますが、前者は内科に関しては深く診療できますが、後者のほうがより広い視…

第12回ジェネラリスト教育コンソーシアムの印象

先日、第12回ジェネラリスト教育コンソーシアムに参加してきました。 尾島様の許可を頂きましたので、参加者として寄稿した文章を共有します。 第12回ジェネラリスト教育コンソーシアムの印象 東京城東病院総合内科 森川暢 第12回ジェネラリスト教育コンソー…

ブルーオーシャン戦略

知り合いの先生が勧めていたので、読み始めてみました。 https://www.amazon.co.jp/ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する-Harvard-Business-Review-Press/dp/4478065136 とても、面白いです。 まだ読み始めたばかりですが、プログラム運営に関…

慢性偽性腸閉塞(CIPO)について

慢性偽性腸閉塞について少しお勉強。 偽性腸閉塞症(pseudo-obstruction)は、腸管の蠕動運動が障害されることにより、機械的な閉塞機転がないにもかかわらず腹部膨満、腹痛、嘔吐などの腸閉塞症状を引き起こす疾患である 慢性偽性腸閉塞症 Chronic Intestinal…

非定型抗精神病薬によるAIN?

とある非定型抗精神病薬使用若年者 ただ、NSAIDSを直前に使用。 腎腫大、腰痛、CRP微増、尿異常(蛋白、RBC、WBCいずれも軽度) Krishnan, N., & Perazella, M. A. (2015). Drug-induced acute interstitial nephritis: Pathology, pathogenesis, and treatm…

女性の強直性脊椎炎について

中年女性の1-2ヶ月の経過の腰痛 片側仙腸関節の圧痛あり 仙腸関節炎?? 女性でも強直性脊椎炎の特徴は何か Clin Rheumatol. 2011 Jan;30(1):121-7. doi: 10.1007/s10067-010-1581-5. Epub 2010 Sep 30. Spondyloarthritis in women: differences in dise…

tietze症候群

ブログの更新が出来ていませんでしたが、ぼちぼち更新します。 外来で胸痛の患者さんがいたのですが、らしいので調べて見ました。 http://www.imj.com.pk/wp-content/uploads/2013/07/41-RA1.pdf tietze症候群は第2-3に好発する。 肋軟骨炎は第2-5に好…

アクティブな通勤、特に自転車通勤は心血管リスク、癌のリスクを低減する

P イギリス在住の成人 I アクティブな通勤(自転車、歩行、それらの混合) C アクティブでない通勤(車、交通公共機関) O 心血管疾患、癌、死亡率(心血管死、癌死、全死亡) 前向きのpopulation based study263540人の参加者 52%は女性;平均年齢は52.6歳B…

静脈血栓症の追加治療に関するリバロキサバンとアスピリンの比較

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1700518 P 静脈血栓症で6-12ヶ月の抗凝固療法(ワーファリン or DOAC)を終了しその後も追加治療が必要な18歳以上の患者 Ccr30未満、肝障害で凝固異常があれば除外 I リバロキサバン20mg/day 、10mg/day C…

静脈血栓症の2次予防における抗凝固療法と抗血小板療法の比較

Apixaban for extended treatment of venous thromboembolism. - PubMed - NCBI Efficacy and safety outcomes of oral anticoagulants and antiplatelet drugs in the secondary prevention of venous thromboembolism: systematic review and network meta…

潜在性甲状腺機能低下症の高齢者への甲状腺ホルモンの補給について

N Engl J Med. 2017 Apr 3. doi: 10.1056/NEJMoa1603825. http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1603825#t=article P 65歳以上で潜在性甲状腺機能低下症の患者(遊離サイロイドホルモンは正常で、TSHが4.60~19.99mIU/L) I 甲状腺ホルモン投与(TSH…