GIMブログ(あくえりの暢気にジェネラル)

JCHO東京城東病院総合診療科の森川暢によるブログです。総合内科と家庭医療が融合した、病院総合医の理想像を追い求めています。夢は、理想的な病院総合医のシステムの確立と普及です!今日の時代におけるGIMは、診断学や内科マネージメントに加えて、家庭医療学を専門にする必要があると考えています。このブログでは徒然なるままに思うところを書いていきます。

女性の強直性脊椎炎について

中年女性の1-2ヶ月の経過の腰痛

片側仙腸関節の圧痛あり

仙腸関節炎??

女性でも強直性脊椎炎の特徴は何か

Clin Rheumatol. 2011 Jan;30(1):121-7. doi: 10.1007/s10067-010-1581-5. Epub 2010 Sep 30.

Spondyloarthritis in women: differences in disease onset, clinical presentation, and Bath Ankylosing Spondylitis Disease Activity and Functional in... - PubMed - NCBI

 

主に女性のコホート研究S

SpA患者516人(男性:女性= 172:344)に、Onset、臨床症状、疾患活動指数(赤血球沈降(ESR)、C-反応性タンパク質(CRP)およびBASDAI)機能指数(BASFI)を調査した。

男性と比較して、女性は発症時の年齢が高く、持続時間が長く、診断までの期間が遅れ、診断時の年齢が高かった。

背中の痛みは、性差に関係なく主な症状であった。

女性は、腰痛、倦怠感、頚部痛、圧痛がメインの症状である。

女性では夜間痛や睡眠障害が男性より有意に大きかった。

さらに、平均のESR(P <0.005)、CRP(NS)、BASDAI(P <0.005)およびBASFI(P <0.05)は過去1週間および過去6ヶ月間でさらに悪化する傾向にあった。

BASDAI指数の項目では、女性ではより疲労(BASDAI 1; P <0.001)、腰痛(BASDAI 2; P <0.05)、朝のこわばり(BASDAI 6; P) = 0.09)を自覚する傾向にあった。 BASFI指数については、より高い棚に載せるのが難しく(BASFI 3; P <0.001)、横たわった状態から立ち上がるのが難しく(BASFI 5; P <0.001)、肩を見上げるのも難しい(BASFI 8; P <0.05)。

女性は頸部、膝、股関節の痛みがより多い。

問題は頸部、背中(下部および上部)、疲労および腱付着部炎として起こる。

⇒女性では、頚部痛が多く、病勢も強い傾向があり、診断の遅れが影響しているかもしれない。

 

 

 

Arthritis Rheum. 2008 Mar 15;59(3):449-54. doi: 10.1002/art.23321.

Women with ankylosing spondylitis: A review - Lee - 2008 - Arthritis Care & Research - Wiley Online Library

 

上記と同様に、男性は平均5-7年で診断されるが、女性は平均9-14年で診断される

⇒つまり女性のASは診断が遅れる傾向に

特に、若年者では診断が遅れる傾向

Asは男性の病気であるというバイアスがありそう

 

女性では男性に比べ、頚部痛と末梢関節痛が多い傾向

肩と股関節の痛みも多いかも。

女性ではMTX、sulfasalazine,プレドニンが使われる傾向があり、これは女性では末梢関節炎が目立つからかもしれず、つまりRAと見誤られる傾向があるかもしれない

 

女性では胸椎と腰痛の放射線学的な変化は少ない傾向がある

頚部痛と末梢関節痛は目立つがその割に放射線的な変化は少ない

女性では男性に比べて放射線的な変化は乏しいかもしれない

 

女性では放射線的な変化の割に機能的なアウトカムが不良な傾向

若年発症では男性に比べよりはやく機能的な障害が出現し、仕

事にも支障をきたしやすいかもしれない

 

家族歴の性差ははっきりしない

妊娠で、産後に症状は悪化する傾向

 

Eur J Rheumatol. 2014 Mar;1(1):39-43. Epub 2014 Mar 1.

Coexistence of systemic lupus erythematosus and ankylosing spondylitis: another case report and review of the literature. - PubMed - NCBI

若年女性の膠原病といえはSLE

ではSLEとAsは合併するのか

レアだが合併することも

上記ケースレポートでは典型的なSLE+腎症と診断された患者が、後日炎症性腰痛を呈してきて、MRI仙腸関節の炎症を証明

腰痛はNSAIDSで改善

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報告されているのは以下の9件のみとやはり稀

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