GIMブログ(あくえりの暢気にジェネラル)

JCHO東京城東病院総合診療科の森川暢によるブログです。総合内科と家庭医療が融合した、病院総合医の理想像を追い求めています。夢は、理想的な病院総合医のシステムの確立と普及です!今日の時代におけるGIMは、診断学や内科マネージメントに加えて、家庭医療学を専門にする必要があると考えています。このブログでは徒然なるままに思うところを書いていきます。

マーケティング近視眼と、オリラジのパーフェクトヒューマンそして、病院で設定すべきドメインとは?

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またまた、オリラジのパーフェクトヒューマンです。

 

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最近、この本を読み始めています。
事業領域で適切なドメインを設定するにあたり、レビットによるマーケティング近視眼という概念が取り上げられています。
鉄道会社は何故衰退したのか?
その理由は、鉄道会社が設定したドメインが鉄道事業であったことに、あります。
しかし、顧客が望んでいることは鉄道に乗ることではなく、輸送そのものであり、適切なドメイン設定は輸送事業であったはずです。
ここを理解できなかった鉄道会社は、代替手段である自動車や航空機の台頭に対応できずに衰退しました。
これは、映画会社が自社のドメインを映画事業ととらえて衰退したことも同様であると書かれています。顧客が望んでいるのは、娯楽事業であり、その意味ではテレビやライブは代替手段と言えるかもしれません。
地方の小規模の映画館が全て、TOHOシネマズに置換されたことも、同様に考えることが出来ると思います。

翻って、お笑いの世界で考えます。
お笑いの世界が設定すべきドメインは、漫才なのか、お笑いなのか、娯楽事業なのか。。 
答えは、明白で娯楽事業であるべきです。
よって、顧客目線で考えれば、楽しければ何でもよいわけで、漫才にこだわる必要はないということになります。
そこをはき違えて、お笑い芸人たるもの漫才をするべきとなると、マーケティング近視眼に陥っていると思われます。
オリエンタルラジオのパーフェクトヒューマンは、ドメインコペルニクス的な転換であるとも言えると思います。
娯楽事業ととらえれば、音楽の要素やダンスの要素を取り入れることに、全く問題はなくなります。

さらに翻って、医療の世界で考えてみるとどうでしょうか。。
私は病院総合医というのもを目指しています。
それでは、設定すべきドメインは病院総合医なのでしょうか。。
それも違うと思います。

日本プライマリ・ケア連合学会の目的は、以下の通りです。
「人々が健康な生活を営むことができるように、地域住民とのつながりを大切にした、継続的で包括的な保健・医療・福祉の実践及び学術活動を行う」

 

つまり、設定すべきドメインは「地域住民のヘルスケアの向上」が正しいように思います。

病院総合医というドメインは、あくまでその為の手段の一つと考えるほうが良いということになります。

プライマリ・ケアは患者から考えるべきだと、ある大家の先生がおっしゃっていました。

それは、顧客視点の重要性に他ならないと考えます。

近視眼に陥らずに考えていければ。。