静脈血栓症の2次予防における抗凝固療法と抗血小板療法の比較
Apixaban for extended treatment of venous thromboembolism. - PubMed - NCBI
P:静脈血栓症を発症した患者
I:ワーファリン、アスピリン、DOAC
C:プラセボ/経過観察
O:静脈血栓症の再発、major bleeding
systematic reviewとネットワークメタアナリシス
Medline (1950 to present), Embase(1980 to present), the Cochraneと比較的網羅
他に手作業で関連してそうな論文も網羅
無症候性の静脈血栓症のstudyは除外
静脈血栓症の2次予防を評価したRCTを調査
2人の評価者が別々に評価
結果
12のRCTを解析。
エビデンスネットワーク
結果
プラセボ/経過観察に比べて全ての介入で静脈血栓症の再発が低下。
ワーファリンは通常量では再発に関してオッズ比0.07だが、major bleedingのリスクはオッズ比5.24
少量のワーファリンでは再発のオッズ比0.28、major bleedingのオッズ比4.77
一方アスピリン100mgは再発のオッズ比0.65、major bleedingのオッズ比1.29
⇒ワーファリンに比べてアスピリンは静脈血栓症の予防効果は低いが、出血リスクは低い。
DOACではリバロキサバン20mgは再発のオッズ比0.17だがmajor bleedingのオッズ比20.79とワーファリンより出血リスク高い。
ダビガトロバン150mg×2/dayも出血リスクはワーファリンほどではないがアスピリンより高く major bleedingのオッズ比2.79 、 再発リスクはオッズ比0.09とワーファリン並。
アピキサバンは再発リスクのオッズ比が0.18と低容量ワーファリンよりも優れているにも関わらず、major bleedingのオッズ比0.19-0.46と出血リスクも少ない
この結果だけ見ればアピキサバンが良さそう。 ただ1つのRCTのみ
Apixaban for extended treatment of venous thromboembolism. - PubMed - NCBI
⇒今後の追試を待たないと本当のところはわからないかもしれない。。
アスピリンもプラセボに比べれば静脈血栓症の2次予防の効果があり、出血リスクも低いので、金銭的な問題やフォローの問題で抗凝固療法が使えない場合や、1度きりのVTEエピソードで抗凝固療法がためらわれる場合にはありかもしれない。
ただ、アスピリンは抗凝固療法ほどの再発予防効果ないことに注意。
ワーファリンは再発予防効果は十分あるが、出血リスクも高くなる傾向はありそう。