あらためてGIMについて考えてみる。
再度、GIMについて考えてみます。
私自身は主に内科医として卒後5年目までキャリアを歩んできました。
卒後6年目から、今の小規模病院に来てから、総合診療・家庭医療を少し勉強してきました。
とはいえ、家庭医療専門医を持ちつつ、さらに病院で内科をベースとした病院総合診療をされている先生の診療内容に触れたときに、自分が総合診療医であるということが少しはばかられる気がします。
かといって、ただの内科医であるというだけが自分のアイデンティティではありません。。
そう考えたときに、改めてGIMという言葉の響きが自分には大切に思いました。
私は京都のGIMで有名なグループの系列病院で3年間後期研修をしてきました。
家庭医療的な研修は、少なくとも系統的にはありませんでしたが、しかし尊敬するロールモデルの元で内科を中心として横断的な研修が出来たことはとても幸運なことでした。
その選択をしたことは全く後悔はありません。
総合診療専門医がはじまりましたが、総合診療専門医にとっても幅広く深く内科を診る、GIM的な能力は必須だと思います。
つまり家庭医療学とGIMは両輪であり、研修という意味では両方を提供する必要があるのではと僕は思います。
その中でどちら寄りになるのかは、当人の個性だと思います。
逆に言えば、GIMがただの内科ではなくGIMであるためには、家庭医療学を学ぶことが必要です。
GIMをやっていると、社会背景や全人的に診ることを自分たちでも出来るし、家庭医療学を学ばなくても良いんじゃないかと思うこともあります。
しかし、家庭医療の考え方を学ぶと、Biomedicalだけでは解決できない複雑な問題をより遣り甲斐をもって、かつ大切であると認識して診ることが可能になります
全人的に診るということに関して、ポートフォリオやフィードバックなど系統的な研修を受けた総合診療・家庭医が一歩先を行っているので、GIMはそこから学ぶべきです。
とはいえ、GIMと総合診療・家庭医は患者を全人的に診ようとするというところに関して共通項を持っていて、つまり同志だと僕は信じています。
GIMは自分たちがGIMであるためには、ただ内科の知識を深めるだけでは足りず、総合診療・家庭医から学ぶべきであると、意識することが必要だと思います。
GIMが元来の特徴である内科診断学や広く深い内科マネージメントに加え、総合診療・家庭医から全人的に診るということを取り入れることができれば、真に時代に必要とされる存在になるはずだと僕は信じています。