ACE-I or ARB 内服後の血清Cr上昇について
ACE-I or ARB開始後の血清Cr上昇についての心腎アウトカムについて調べた論文
population based cohort study
イギリスのプライマリ・ケアのデータを使用
患者: ARB or ACE-Iを開始した患者
アウトカム:血清Crが30%上昇した患者における末期腎疾患、心筋梗塞、心不全、死亡率。
122363人のうち2078人(1.7%)で血清Crが30%以上に増加。
特に高齢者、心腎の合併症、NSAIDS使用、ループ利尿薬、K保持性利尿薬の使用でその傾向がある
Crの30%以上の上昇した群におけるリスク比
末期腎疾患:3.43
心筋梗塞:1.46
心不全:1.37
死亡:1.87
Crがの上昇にしたがい死亡率が上昇している
他のoutcomeもCr上昇に従い増加傾向
特にCKDやHTがある際は末期腎疾患の発生に注意
◯結論
ARB or ACE-I開始後のCr上昇は心・腎の不良なアウトカムと関係している。
特にCrが30%以上増加した場合はその傾向が顕著。
◯感想
確かに外来でACE-I ,ARBを導入する際はCr上昇には気を使っているが、それは妥当なんだという感想。
個人的な印象ではACE-IでCr上昇が多い気もするけど、その比較は不明。。
いずれにせよ、ACE-I,ARB導入後は採血フォローをするのは妥当だと思われる。
Cr上昇を認めれば変更 or 中止を検討しても良い。